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2022.02.09

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協働ロボットを導入する際の手順とは? -導入時のポイントを解説-

協働ロボットの導入に興味はあるものの、具体的にどのような手順で導入を進めるのかがわからないという方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、協働ロボットを導入する際の基本的な手順や、手順ごとに重要なポイントを解説します。

■近年は幅広い企業で協働ロボットの導入が可能に

従来は、出力80W以上のロボットを使用する場合、可動範囲内に人が入らないように安全柵の設置などが義務付けられていました。しかし、2013年に規制緩和が行われ、一定条件を満たせば、80W以上のロボットも安全柵を設置せずに人と同じ空間で使用することが認められています。

これにより、限られたスペースにロボットを設置できるようになり、労働力不足の緩和やワークライフバランスの実現、品質の安定化、生産性向上などが見込めるとして、協働ロボットは、中小規模の製造ラインなどでも活用され始めています。 以下は、協働ロボットが活用されている作業の一例です。

・製造現場でのネジの締付けや組立工程
・検査工程の自動化
・物流現場での完成品の箱詰めや流通加工
・ピッキング作業

■協働ロボットの導入は誰に頼めば良い?

大型の産業用ロボットの導入は、設置工事や複雑なプログラミングが必要なことが多く、システムインテグレーター(SIer)と相談しながら行うのが一般的です。 ロボットシステムインテグレーターとは、ロボットの導入支援を行う事業者のことで、ロボットシステム導入の提案やラインの設計・構築、運用時のサポートなどに対応してくれます。

一方で、協働ロボットの導入については、システムインテグレーターへの依頼は必須ではありません。協働ロボットは実際にアームを動かしながらティーチングできるものも多く、基本的には誰でもプログラマーになれることから、使用する企業自身で導入することも可能です。

メーカーも、WEB研修などを用意して誰でも学習できるようサポート体制を整えています。

■協働ロボットを導入するまでの流れ

具体的に、協働ロボットはどのような流れで導入を進めるのでしょうか。協働ロボット導入の流れや、その際の重要なポイントを解説していきます。

現場の課題と導入目的を明確にする

導入に際して、最初に必要なのは現場の課題の発見です。作業分析を行い現場の課題を明確にして、何を解決したいのか、何を実現したいのかといったニーズを発掘します。 課題解決の方法を検討したうえで、協働ロボットの導入がソリューションとなるか判断しましょう。

作業領域と要件の検討

課題や導入目的が定まったら、課題解決に向けて、協働ロボットに求められる要件を検討します。同時に、人と協働ロボットの作業領域の切り分けや、協働ロボットを導入した場合の効果を考える必要があります。

プロジェクト・マネジメント

計画段階から運用開始までの流れやスケジュール、担当者などを決定します。導入までの生産計画の見直しも必要です。

ロボット選定・設計

作業内容や使用環境を考慮したうえで、要件を満たす協働ロボットのメーカーや機種を選定します。同時に、ワークに合うエンドエフェクタ、作業に応じたセンサーなどの検討も行いましょう。ロボットの可動範囲、動かし方によって生産ラインの変更が有効と判断すればライン設計を見直します。

リスクアセスメントと安全性の確保

協働ロボット導入によってどのようなリスクが発生するか解析し、必要に応じて安全策を検討します。協働ロボットに関する安全規格に適合するか確認しながら設計を行いましょう。

※協働ロボットの安全規格とリスクアセスメントの手順については、こちらで詳しく紹介しています。
協働ロボットを安全に使うポイントとは?

ロボット周辺の環境の設計

協働ロボットを導入するラインの前後工程を含め、ロボットが作業しやすい効率的な周辺環境を設計します。 工程の順番や動線の変更、周辺機器の必要性など、周辺環境の設計によってどのような効果があるかを洗い出すことが重要です。

制御・センシング設計

協働ロボットの動作を制御するプログラムの設計や、必要なセンサーがあれば追加設計します。 動作シミュレーションによって、リスクの再確認も行いながら進めていくのがポイントです。

設置・運用開始

協働ロボットの設置、ティーチングが完了したらテストを行い、問題がなければラインを稼働開始します。現場作業者への操作方法などの教育に加えて、トラブル発生時の対応フローの周知も必須です。 ライン稼働後は、実際に運用することで見えてくるリスクを洗い出し、安全策の必要性の有無を決めましょう。

保守運用

定期的な導入効果の測定や、効率の良い運用方法の検討など、PDCAサイクルを回しながら継続的に保守管理を行う必要があります。現場の保守管理担当者のスキルアップを行い、ロボット管理と運用についての人材育成も行いましょう。 システムインテグレーターに依頼している場合は、あらかじめ定めておいた期間や範囲までサポートを受けることも可能です。

■協働ロボット導入時は目的を明確にしておくことが大切

協働ロボットの導入時は、現場の課題を明確にし、導入によってどのような課題を解決できるか入念に検討することが重要です。導入目的が明確になっていないと、要件に適した協働ロボットを選定・設計できず、生産ラインの構築に失敗してしまう可能性もあります。 最適な協働ロボットを導入し、最大限の導入効果が得られるよう、ご紹介した手順を参考に導入計画を立ててみてはいかがでしょうか。